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休業損害・会社役員

会社役員の報酬には,①労務提供の対価部分としての報酬と②利益配当の実質を有する報酬があり,②の部分については,会社役員としての地位にある限り,会社役員が交通事故によって休業をしても,原則として,休業損害には含まれません(東京地判昭61.5.27)。

ただし,会社役員といっても,まず,個人事業主の場合には,事業所得者と実質的に同じであるため,前述の事業取得者と同様に考えられています。

次に,大企業の役員の場合でも,サラリーマン役員として,給与所得者と同様に考えられることもあります。

さらに,中小企業の場合には,その実態に応じて,事業所得者や給与所得者,あるいは通常の会社役員として,さまざまに考えられています。

具体的には,ⅰ 会社の規模(及び同族会社か否か等)・利益状況

ⅱ  当該役員の地位・職務内容,年齢

ⅲ 役員報酬の額

ⅳ 他の役員・従業員の職務内容と報酬・給与の額

ⅴ 事故後の当該役員及び他の役員の報酬額の推移

ⅵ 類似法人の役員報酬の支払状況等

といった基準によって,判断されています(松本利幸裁判官・「会社役員の休業損害・逸出利益」・「赤い本」2005年度版下巻13頁)。

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