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後遺障害と逸失利益の算定方法(後遺障害による逸失利益)

1 労働能力喪失率は「後遺障害別等級表」で決定されるのが基本

後遺障害による逸失利益は、

(基礎収入)×(労働能力喪失率)×(労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)

によって計算します。

そして、ここにいう「労働能力喪失率」は、後遺障害の症状によって決定されるものであり、赤い本の「後遺障害別等級表」に整理されています。

例えば、後遺障害第12級の労働能力喪失率は、「14/100」とされており、14%の労働能力が失われたものと扱われます。

2 等級表よりも高い喪失率が認定されることも

このように、裁判実務においては、後遺障害別等級表の数値に従うことが多く見られますが、被害者の職業、年齢、性別、後遺症の部位、程度、事故前後の稼動状況等を総合的に考慮して、上記等級表と異なる数値が認められる場合もあります。

例えば、昼間は会社作業員、夜間は寿司店配送運転手として従事していた被害者について、自賠責は四肢不全麻痺(12級)としたものの、握力等の低下によって労働能力喪失率の程度が、通常の12級よりも高度であることから、上記等級表によれば通常14%とされているところ、20%の喪失率を認めた裁判例があります(大阪地判平成11年2月23日)。

特に、精神・神経症状、目や耳の障害、上肢・下肢の機能障害については、上記等級表よりも高い労働能力喪失率が認定される裁判例が比較的多く存在します。

3 等級表よりも低い喪失率が認定されることも

逆に、後遺障害の内容や、被害者の職業に対する影響等によっては、上記等級表よりも低い数値が認定される場合もあります。

特に、喪失率の高い後遺障害(重い後遺障害)については、上記等級表の数値を下回りやすくなる傾向にあります。

4 裁判例の分析を踏まえた主張立証が必要

以上のとおり、裁判において、必ずしも自賠責の認定どおり、かつ上記等級表どおりの喪失率が認められるとは限りません。

高い喪失率の認定を得るためには、各裁判例の収集・分析・比較を踏まえた主張立証が重要になります。この点については、弁護士に相談することをお勧めします。

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