葬儀関係費用
人は必ず死ぬことから、従来、葬儀関係費用を損害に含めるかについては議論がありました。しかし、現在、判例において、これも損害に含めることが認められています。
もっとも、これについては、定額化が図られており、原則として150万円とされています。そして、葬儀費用が150万円を下回った場合は、実際に支出した額が損害として認められます。
但し、これはあくまで原則であり、裁判例の中には、150万円以上を認めたものもあります。
また、葬儀費用の他に、仏壇・仏具購入費・墓碑建立費を認めた事例や、遺体搬送料を認めた事例、遺体処置費等を認めた事例もあります。
例えば、医学部生であった女性が交通事故により死亡したケースで、葬儀費用120万円とは別に、納棺・遺体輸送費として45万3149円、仏壇費用として43万6000円を認めた裁判例があります。もっとも、このケースでは、供花費用は慰謝料の認定において既に斟酌されている、として、別途認めることはしませんでした。(京都地裁平成12年3月23日、判例時報1758号108頁)
なお、香典については、損益相殺を行いません。また、香典返しは、損害とは認められず、請求することはできません。