医師等への謝礼
医師等の治療行為の対価は,通常は,治療費ととして支払われています。また,最近では,医師や看護師への個別の謝礼を禁止している病院もあります。
そこで,治療費とは別途に医師等へ謝礼を支払った場合,交通事故による損害に含まれるのかが問題になります。
最近の傾向としては,医師への謝礼を損害として認めた裁判例は,必ずしも多くはありません。しかし,被害者の症状が特に重大である等の事情により,謝礼が必要なこともあり,社会通念上相当といえるケースでは,医師等への謝礼を損害として認める裁判例もあります(東京地判平16.12.21,さいたま地判平21.2.25等)。
なお,見舞客に対する接待費や快気祝い等は,道義上の出費であるとして,損害とは認められていないようです。